新・ドラマ囲炉裏の会

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悪人

悪人


監督 李相日
出演 妻夫木聡、深津絵里、岡田将生
2010年 日本

★★★

3つ半かな、秀作だと思う。

本当の悪人は誰なのか、というメッセージを問いかけていながら、
やっぱり、彼が「悪人」なんじゃないかなぁ~と私は思えたし、
おそらく製作者のメッセージもそうなんじゃないかと信じたい。
殺人ってやはりどんな理由も免罪符にはならない。
そこにとどまる人が、やっぱりいる以上はね、、、


祐一の犯行を促すきっかけになった二人の人物。
出会い系サイトで知り合った佳乃と、その佳乃を残酷なまでにふった増尾。
どちらの人物も本当に憎らしく、
人間の屑という表現がぴったりなキャラなんだけど、
その佳乃だって増尾だって、相手を傷つけるのに、
言葉や暴力という醜い手段は使っても、
決して最後の一線である殺人にまでは及ばない。
そして最愛の娘を殺された佳乃父ですら、増尾にふり上げた腕で、
彼を殴り殺すことはしなかった。

祐一が置かれた閉塞的な環境、希薄な人間関係、
そんな中で祖父母の面倒をみながら真面目に生きる彼が、
若い女性との出会いを求めることはごく自然で健康的ですらある。
そのあたりの彼を取り巻く環境や、
祐一という人物の描き方の綿密さはさすがで、
序盤は彼の心情にはストンと共感できる。

しかし出会った女性はただ肉体関係だけの、はすっぱな女で、
その女からひどく馬鹿にされた結果、祐一は犯行に及んでしまう。
そして、その後に出会った光代と心を通わすうちに、
「光代と先に出会っていれば、、、」と自分の犯行をひどく後悔するんだよね(泣)

そんな主人公にかなり感情移入して見ていても、
やっぱり一線を超えて、しかも愛する女性を巻き込んで逃げる彼の行動は
「悪人」以外の何ものでもない。
辺鄙な地方で暮らしても、女性となかなか出会える機会がない人でも、
どんなに他人にひどく傷つけられることがあっても、
人は簡単に人を殺したりはしないのだから。。。

ただ、同時に殺人という絶対的な悪と同じか、それ以上の重みで描かれていた増尾や佳乃のような相対的な悪。
それもまた、殺さなかったのだからいいだろう、とは言えないほどの非道さを我々に訴える。
しかし法的に裁かれるのは祐一なわけだから、そこに切なさやどんよりとした重い思いがよぎるのだろう。

受賞した深津絵里さんも主人公役の妻夫木氏もすごく良かったけど、
私は佳乃を演じた間島ひかりさんの怪演がすごく印象に残った。
ああいうウザい女っていそうだもんね~

これほど暗くてどんよりした映画なのに、
それでも最後まで見たいって思える作りがやはり秀作なのかと思う。
そんな暗い作品の中で、樹木希林さん演じる祖母に
バスの運転手が声をかけるシーン、一筋の光を見たようだった


  • [No Tag]

*Comment

美月さんへ 

> まずは「世間」みたいなものにハバにされているけれど、一生懸命生きている主人公たちが愛しかったんだよね。
>  んで、中でもおばあちゃんは一番気の毒で、(主人公たちは、最悪な路線だけど、なんだかんだ言っても自分のまいた種)おばあちゃんを何か救ってあげたい、自分を生きさせてあげたいって思ったのかな・・・。

「自分を生きさせる」ってステキですねぇ~
あのバスの運転手さんの言葉にもリンクするし、、、
そうか、孫が悪人だからっておばあちゃんは悪人じゃないんですよね。
そのへんを世間もおばあちゃん自身も勘違いするなっていう、そういう意味での決意行動だったのかも。

>  つまり、悪徳商法の人たちって、一つの「悪人」の描き方というより、わたしには、彼らは「油断できない世間」で、そこでだまされちゃって終わることは、結局世間に飲み込まれていくことのように思えたのかな。

なるほど~深く見てらっしゃいますね。
だからこそ、おばあちゃんは殺害現場にスカーフを結べたのかな。
悪徳商法にしっかり立ち向かうことで、おばあちゃんの一歩が踏み出せたのかもしれません。

>  ただ、深津っちゃんが最後につぶやく「悪人」と、世間の風評の中での「悪人」。その差を感じる映画だと思った・・・ということかしら。

本音は殺人を犯してなくても許しがたいヤツもいますよね、世の中って。
また人を悪と思うかどうかってぶっちゃけて言えば主観がすべてだし…
でも裁くとなると客観的に見なければならない。
その線引きはやっぱりあるし、それは世の中の秩序としてもあるべきということなのかもしれません。

すんごく暗いけど、なかなか奥の深い作品ですよね♪  
  • posted by ピック 
  • URL 
  • 2011.06/02 01:41分 
  • [編集]

「悪人」のおばあさん 

>あのシーンってのは、おばあさんが勇気を出して行動したってことに意味があるのかなと一応思ってるんですが、ちょっとわかりにくかったんです。
教えていただければ嬉しいです。

うわわ。
ピックさんにあらためてそう問われてみると・・・言葉にするのはむずかしい~というより、深く考えてなかったことに気づいてます・・・(汗)

で、今さらここで考えよう。
なんだろう、自分があのシーンが気持ちよかったのは。

まずは「世間」みたいなものにハバにされているけれど、一生懸命生きている主人公たちが愛しかったんだよね。
 んで、中でもおばあちゃんは一番気の毒で、(主人公たちは、最悪な路線だけど、なんだかんだ言っても自分のまいた種)おばあちゃんを何か救ってあげたい、自分を生きさせてあげたいって思ったのかな・・・。

 ピックさんが「おばあちゃんの勇気」と書かれてましたが、その言葉をいただけば、「自分(たち)をジワジワと嵌め込んでいく世間」みたいなものに、敢然とアクションを起こした勇気に、「おばあちゃんは、これで大丈夫。グッジョブよv-218」って思えたんですね。

 つまり、悪徳商法の人たちって、一つの「悪人」の描き方というより、わたしには、彼らは「油断できない世間」で、そこでだまされちゃって終わることは、結局世間に飲み込まれていくことのように思えたのかな。

 あらあ、私は結局「悪人」は、確かに祐一なんだと思ってることに、今、気がついた。

 もちろん、マスコミ含めて、いろんな悪い(?)人たちが出てきてますが、「さて、みなさん、どっちが悪いんでしょうね?」みたいな悪さ比べをしているのじゃない、祐一を弁護している映画ではないと思いました。

 ただ、深津っちゃんが最後につぶやく「悪人」と、世間の風評の中での「悪人」。その差を感じる映画だと思った・・・ということかしら。

 う~ん、誰かに異論を聞きたい感じですねえ。

 いかがでしょうか。
 
 

  • posted by 美月 
  • URL 
  • 2011.06/01 08:18分 
  • [編集]

美月&三日月さんへ(笑) 

> 「悪人は誰」ということを考え始めると、観た人それぞれの感想があるのかもしれないですね。
> 私は妻夫木くんが「悪人」であるとは思えませんが、じゃあ、妻夫木は(祐一ですね)悪い人じゃないの? っていうと、そりゃあ、やっぱり悪いか・・・とグルグルしてしまい・・・結局「悪人」というタイトルに翻弄されてしまいます・・・。

そうなんですよね。
そのあたりの逆説的な描き方がすごいというか、
結局は見る側に「悪」とは何かを最後まで問いかけた作品のような気がします。

> バカみたいな愛だけど、神々しく、この二人の関係にはひれ伏すしかない。
> 光代にとっては、「愛した人が、悪人であるか善人であるか、何者であるか」なんてことは、そもそも何の意味もない概念だったんでしょうかね。

人が人を愛おしく思う心というのは、おっしゃるように神々しいのだと思います。
そこまでの気持ちに達した時はもう何の打算も計算もないんでしょうね。
そういう愛の美しさとエゴだけの醜さをうまく対比して描いた作品だったように思います。

>  わたしは、樹木おばあちゃんがインチキ商法の店に乗り込んでいくところで、カタルシスを一気にいただきました。
>  単純な視聴者でございます(笑)

私はあの場面イマイチわかりにくかったんですが、
あの悪徳業者からおばあさんはお金を返してもらえたんでしょうかね、、、(^_^;)
あのシーンってのは、おばあさんが勇気を出して行動したってことに意味があるのかなと一応思ってるんですが、ちょっとわかりにくかったんです。
教えていただければ嬉しいです。

>  妻夫木くんの映画では「ジョゼと虎と魚たち」のフツーの男の役が印象的で、うまい役者さんなんだなあ・・・と初めて思えたのであります。

そうらしいですね。友だちも言っていました。
ジョゼ、機会があったら見てみようと思います。  
  • posted by ピック 
  • URL 
  • 2011.05/31 18:15分 
  • [編集]

asaさんへ 

> 妻夫木君、大好きなので、ぜひDVDが出たらぜひ見たい作品だったのですが、大災害以来、落ち込みそうな作品に手が出ません。
> 彼のドラマもまた見たいですね。

かなり暗いのは確かです。
でもなかなか見応えがありますよ、ぜひご覧になってください。>

> 彼がもう10センチ背が高かったら、韓流俳優にも負けない若手俳優なのになあ。

ホントそうですよね。でもあの身長であれだけの存在感、やはりすごい俳優なんだろうなぁ~♪

> 樹木希林さんは更に好きです。
> 彼女が出ると、作品にリアリティが倍増される感じ。
> あういう女優さん、古今東西探してもなかなかいないですよね。
> 日本が誇る女優さんだと思います。

実は若い頃の彼女は私は苦手だったんです。
でも最近の希林さんの枯れた演技ってすごい。
もうそこに佇むだけで涙を誘うようです。
おっしゃるように日本が誇る女優ですね♪

  • posted by ピック 
  • URL 
  • 2011.05/31 17:58分 
  • [編集]

三日月って・・・ 



すみません(汗)
いつも来ている美月ですのに、「三日月」って送りました。
汗、汗。

自分の名前もよう覚えられないお年頃です(汗)

ということで、三日月=美月です。
  • posted by 美月 
  • URL 
  • 2011.05/30 17:22分 
  • [編集]

No title 

わたしも以前、観てました! この映画。
感想、まとめようと思うとむずかしく、これだけ書いてらっしゃるのがさすがで・・・ほんと、すごいと思います(礼)
「悪人は誰」ということを考え始めると、観た人それぞれの感想があるのかもしれないですね。
私は妻夫木くんが「悪人」であるとは思えませんが、じゃあ、妻夫木は(祐一ですね)悪い人じゃないの? っていうと、そりゃあ、やっぱり悪いか・・・とグルグルしてしまい・・・結局「悪人」というタイトルに翻弄されてしまいます・・・。

心に残ったのは、人と人との恋愛=濃い関係というのは、条件から産まれるんじゃないのだ、ということでした。
バカみたいな愛だけど、神々しく、この二人の関係にはひれ伏すしかない。
光代にとっては、「愛した人が、悪人であるか善人であるか、何者であるか」なんてことは、そもそも何の意味もない概念だったんでしょうかね。

 ところで間島さん、そうでした。思い出しました!
 わたしも「すごい!」と思ってたんだ。
 今思い出して、笑えます。(ごめん、むごい最期だったことは、おいといて)
 印象的でしたねえ!!

 わたしは、樹木おばあちゃんがインチキ商法の店に乗り込んでいくところで、カタルシスを一気にいただきました。
 単純な視聴者でございます(笑)

 妻夫木くんの映画では「ジョゼと虎と魚たち」のフツーの男の役が印象的で、うまい役者さんなんだなあ・・・と初めて思えたのであります。
 
  • posted by 三日月 
  • URL 
  • 2011.05/30 12:26分 
  • [編集]

妻夫木ファン 

妻夫木君、大好きなので、ぜひDVDが出たらぜひ見たい作品だったのですが、大災害以来、落ち込みそうな作品に手が出ません。
彼のドラマもまた見たいですね。


彼がもう10センチ背が高かったら、韓流俳優にも負けない若手俳優なのになあ。

樹木希林さんは更に好きです。
彼女が出ると、作品にリアリティが倍増される感じ。
あういう女優さん、古今東西探してもなかなかいないですよね。
日本が誇る女優さんだと思います。

樹木希林さんの主役作品が見てみたいです!

  • posted by asa 
  • URL 
  • 2011.05/30 02:05分 
  • [編集]

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